ブッデンブローク家の人びと
★★★☆☆
著:トーマス・マン 訳:望月 市恵
story
ブッデンブローク家の様々な人の人生を綴った長編。祖父の代に始まって、孫、その他周辺の人物までの長い話です。副題は「ある家族の没落」・・・。
感想
トーマス・マンと言えば「魔の山」しか思いつかず、読んでみたいな〜と思っていたので図書館に借りに行くと、上下巻揃っていない。しかたなく借りてみたのがこの本。文庫で上・中・下巻の読み応えのある物でした。
人物の心情や価値観、時代背景、芸術や自然の景色に渡るまでとても細やかで美しく描写されていて、かなり惹き込まれました。貴族趣味に没頭する娘、対極的な兄弟、神経の細い少年と友情・・・。テーマも様々ですがどれも素晴らしく徹底した書き分けです。それにしても、金持ちってなんでいつも病弱で神経薄弱なんでしょう〜?(苦笑)
あと料理とか食文化も凄く丁寧に書かれてて面白かったです。
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