駄文



ヨーグルート・ライフ

変身













ショート・ショート

『 ヨーグルート・ライフ 』

 うようよとヨーグルートが散らばって、かなり沈んだ気持ちになった。奥歯がずんずん痛くなるように、押し寄せるのは脱力と狂気の狭間に産する混乱による混沌。ミルクはちゃんとあっただろうか。冷蔵庫、冷凍庫、電子レンジのマイクロウエエブ。美しい蜂蜜、キンキンキン、やっぱりキャンブリックティイを飲もう。ウイニー・ザ・プーも賛成している。もちろん君の分も作ってあげるよ、ミナミ。ミナミは眠たそうに目を瞑って、ウスベニアオイがいいと云った。そうだね、青いのか赤いのかがいいね、僕も微笑む。じゃあ僕はロウズ・ヒップにしようかな。病弱な青に、高貴な赤。それよりどうする? ヨーグルート。ヨ・オ・グ・ル・トだよ。ミナミが訂正する。またそんな無理を云って、僕を困らせるんだ。だから僕はエプロンの水玉模様を数えながら、一生懸命考える振りをして、考える癖にまでなった。1,2,3,じゃなくて、ティイのこと。本当はミナミは飲みたくないんじゃないかとか、実は別のことを云ってるんじゃないかとか。ミナミが鮮肉色の花に添えて笑ったから、僕は恥ずかしくなった。ドウゾコチラヘオイデクダサイ*
 ヨーグルート(ヨ・オ・グ・ル・ト)は更に悲惨な状態に達した。悪舌のミナミに似ている。悪性の僕にも似ている。ミナミのせいだよ、泣いた僕。蜂起したのはヨーグルート(ヨ・オ・グ・ル・ト)だけではないようだ。気持ちが悪い。タチが悪い。そしてミナミが悪い。ミルクでいいよ、蜂蜜はあるから、と慰めるミナミ。一握の屈辱 は脳内麻薬を囃し立てる。それでも憂鬱。毎日ブランコのウサギを食べているみたいに、喉に刺さる。吐き出すこともできない。異物は雪崩れ込み、舌に飽きて、食道をゆるゆる覆い、胃を締め付け、腸を掴む。一体どこで呼吸をすればいいんだ。教えてくれないミナミ。僕の皮膚呼吸は全然僕を充たしてはくれない。ブレインズは酸素欠乏のために全面断絶、最徐行及び回復の見込み現状ではゼロ。尚、補修保護の余力もなし。今後の課題は警戒と学習。僕はウサギを嫌いじゃないけれど好きでもない。でもミナミは好きだ。たとえブランコでもシイソオでもジャングルジヤムでも。淫雨の涙はミナミが飲んだ。ヨーグルート(ヨ・オ・グ・ル・ト)は僕ひとりで始末しなくちゃいけない。ミナミは傍らから見ているだけで、一等おいしそうに見えるミルク・セエキを作り出した。それ、僕も飲みたいな。ウイニー・ザ・プーも賛成した。

 狂った*************
 バンザイ************
 ****************
 戻った*************
 〈ヨーグルート〉の*********
 *奇蹟*神秘*革命*構想*輝赫*
 見える/た***********
 僕を**************
 たすけてたすけて*僕******
 キルキルキルキル********
 killkillkillkill***********
 ね?**************
 薄い*平たい*向こうが*見えない*
 刹那の歪み***********
 祝福*****バンザイ*****

 テエブルに、焼いたリンゴと焦げたリンゴがあった。ふるふるフレッシュクリイムのおかげで、まるで甘美なヨーグルート(ヨ・オ・グ・ル・ト)の秘境。僕の素敵な感動をよそに、ミナミは面白くなさそうだ。すっかり無口になってしまった。僕はヤキリンゴをミナミにあげて、ヤケリンゴ(〈ヨーグルート〉仕様)を食べた。ミナミは無言、無罪、無惨。僕はそれを見て思った。やっぱしみなみはウスベニアオイとロウズ・ヒップが欲しかったんだ。綺麗な青い肌と、静かな赤い雫のアイロニイ。

 小さく云った**********
 〈ヨーグルート〉*********
 平気*平気**********
 大きく叫んだ**********
 〈ヨーグルート〉!********

 ヨ・オ・グ・ル・トは欲しくない。
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